大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(れ)868 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人栗林敏夫の上告趣意は、末尾に添えた別紙記載の通りである。

(一)論旨第一点は、原判決が原審公判廷における被告人の供述を証拠として援

用するにつきその供述中証拠として採用しない部分を除外する旨の説明を附けなか

つたことを非難する。しかしながら「判示同旨の供述」なる援用は判示と異なる供

述部分は証拠として採用しない旨を示すのであつて、論旨は理由がない。

(二)論旨第二点は、原判決の採用した証拠の間に食い違いがある、というので

あるが、原判決と記録とを対照して見てもさような点を発見し得ず、論旨は理由が

ない。

(三)論旨第三点は、被告人が本件証明書に書き入れをしたのは肥料配給公団係

員諒解済の上であるのに原判決がそれを「擅に」と判示したのは証拠を無視し経験

則に反した採証である、と非難する。しかし右は原審の自由裁量事項たる採証の範

囲を非難するものであるばかりでなく、原審の採証が経験則に反するものとは考え

られず、論旨は理由がない。

(四)論旨第四点は、原審が認定したとは異なる事実を推定しての議論であつて、

結局原審の事実認定に対する非難にほかならず、上告の適法な理由にならない。

よつて、旧刑訴法第四四六条に従い、主文の通り判決する。

以上は当小法廷裁判官全員一致の意見である。

検察官 三堀博関与

昭和二五年一二月二六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

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裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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